「車を買い替えたら、駐車場への入り口が狭くて毎回ギリギリ…」
「家族用に車がもう1台増えたけど、庭を潰して駐車スペースを増やせないだろうか?」
「歩道の縁石が邪魔で、タイヤを擦ってしまいそう…」
毎日の車の出し入れは、少しの不便さが大きなストレスにつながります。こうしたお悩みを解決するのが、駐車場の「乗り入れ口」を広くしたり、新しく作ったりする工事です。
しかし、この工事、実は「自宅の敷地内だけを工事すれば終わり」という単純な話ではありません。多くの場合、公道である「歩道」の工事が必要になり、そのためには行政への申請と許可が不可欠です。
この記事では、駐車場の入り口を快適にするための工事内容や、その鍵となる「歩道切り下げ工事」の正しい手順、費用感、そして業者選びのポイントまで、専門家の視点から詳しく解説します。
「駐車場が狭い…」その悩み、"乗り入れ口の工事"で解決できるかもしれません

駐車スペースそのものの広さは十分でも、入口部分が狭いだけで使い勝手は大きく損なわれます。まずは、どのようなケースで工事が必要になるのか見ていきましょう。
こんなお悩みありませんか?(車庫入れが難しい、車体を擦りそう、2台目が置けない)
- 車の大型化で、切り返しが多くなり車庫入れが大変になった。
- 入口の間口が狭く、車体やタイヤをブロック塀・縁石に擦りそうで怖い。
- 庭の一部を駐車場にしたいが、道路との間にブロック塀や植栽がある。
- 旗竿地(道路に接する間口が狭く、奥に敷地が広がる土地)で、進入路を新設したい。
解決策は「乗り入れ口の拡幅」や「新たな進入路の設置」
これらの悩みは、既存の乗り入れ口を広げたり、別の場所に入口を新設したりする工事で解決できます。例えば、既存の門柱や塀の一部を解体して間口を広げ、スムーズに出入りできるアプローチを確保します。これにより、日々の駐車ストレスが解消されるだけでなく、土地の利便性も向上します。
なぜプロへの依頼が必須?これは単なるブロック撤去ではありません
「邪魔なブロックを自分で壊せばいいのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、それは絶対にNGです。乗り入れ口の工事は、自宅の敷地だけでなく、公道である歩道や縁石に影響を及ぼすことがほとんどです。適切な手続きを踏まずに工事を行うと、違法工事になるだけでなく、道路の安全性を損なう重大な問題に発展する可能性があります。
工事の最重要ポイント!「歩道切り下げ」とは?

乗り入れ口の工事において、最も専門性が問われるのが「歩道切り下げ工事」です。
歩道や縁石は公共物。勝手な工事は法律違反です
私たちが普段歩いている歩道や、車道との境目にある縁石は、国や都道府県、市町村が管理する「公共物」です。個人の都合でこれを撤去・変更することは、道路法で禁止されています。工事を行うには、その道路を管理する行政機関(道路管理者)に事前に申請し、承認を得なければなりません。
安全な出入りのために必要な「歩道(縁石)切り下げ工事」
「歩道切り下げ工事」とは、車両が安全かつスムーズに歩道を横断して敷地内に入れるよう、歩道の縁石を低くし、段差をなくす工事のことです。単に縁石を低くするだけでなく、歩行者の安全を確保し、道路の排水機能などを損なわないよう、厳しい基準に沿って設計・施工する必要があります。
道路管理者への承認申請(24条申請)の流れ
この工事を行うためには、道路法第24条に基づく「道路工事施行承認申請」という手続きが必要です。一般的には、以下のような流れで進められます。
- 専門業者による現地調査・測量
- 工事計画図・申請書類の作成
- 道路管理者(市役所の道路課など)への申請・協議
- 承認許可
- 工事の実施
- 完了届の提出・検査
この申請手続きは専門的な知識が必要なため、通常は施工業者が代行します。
工事費用は誰が負担する?(自費工事の原則)
歩道は公共物ですが、その工事によって利益を受けるのは土地の所有者であるため、工事にかかる費用はすべて申請者(土地の所有者)が負担する「自費工事」となります。
乗り入れ口・進入路の工事、具体的に何をするの?

歩道の切り下げと併せて、敷地側の工事も必要になります。多くの場合、複数の工事を組み合わせた複合的な工事となります。
STEP1:既存物の撤去(ブロック塀、擁壁、植栽、ガードレールなど)
まず、新しい乗り入れ口のスペースを確保するために、既存のブロック塀やフェンス、植栽などを解体・撤去します。場合によっては、道路のガードレールの撤去(これも行政の許可が必要)や、強度を保つための擁壁の一部解体・補強なども行います。
STEP2:土地の形状を整える造成・整地
撤去後の土地を、車がスムーズに通れるように整えます。地面を掘削して高さを調整し、砕石などを敷いて重機でしっかりと締め固め、強固な路盤を作ります。
STEP3:新しい乗り入れ口の舗装(コンクリート・アスファルト)
路盤の上に、コンクリートやアスファルトで舗装を施します。道路や既存の駐車場とスムーズにつながるように、勾配を計算しながら丁寧に仕上げます。
STEP4:排水設備の整備など、周辺への配慮
乗り入れ口を造成することで、雨水の流れが変わることがあります。雨水が公道へ流れ出したり、敷地内に溜まったりしないよう、必要に応じてU字溝などの排水設備を設置することも重要です。
工事にかかる費用と期間の目安

費用や期間は、工事の規模や内容によって大きく変わります。
費用の内訳は?(申請費用、撤去費用、舗装費用など)
- 申請・設計費用: 行政への申請書類作成や図面作成の費用。
- 撤去・処分費用: 既存のブロック塀やコンクリートなどを解体し、処分する費用。
- 造成・舗装費用: 掘削、路盤づくり、コンクリートやアスファルトの舗装費用。
- 付帯工事費用: 排水溝やガードレールの移設などが必要な場合の費用。
- 諸経費: 現場管理費や重機回送費など。
【ケース別】おおよその費用相場
- 単純な歩道切り下げ工事(2〜3m程度): 20万円~40万円程度
- ブロック塀を解体して入口を拡幅(2台分程度): 40万円~80万円以上(解体規模による)
あくまで目安であり、現場の状況によって大きく変動するため、必ず専門業者に見積もりを依頼してください。
申請から工事完了までの期間は?
行政への申請・許可に1ヶ月程度かかるのが一般的です。実際の工事期間は数日~1週間程度ですが、申請期間を含めると、計画から完成までには1~2ヶ月ほど見ておくと良いでしょう。
業者選びの注意点|申請から施工まで一貫して任せられる会社を選ぼう

乗り入れ口の工事は、複数の工程と行政手続きが絡む複雑な工事です。業者選びの際は、以下のポイントを確認しましょう。
行政への申請手続きに慣れているか
最も重要なのが、歩道切り下げなどの「道路工事施行承認申請」に関する知識と経験が豊富かどうかです。申請手続きをスムーズに進められる業者でなければ、工期が大幅に遅れる原因になります。
解体・造成・舗装まで、すべての工事に対応できる技術力
乗り入れ口の工事は、解体、造成、舗装といった複数の土木工事の技術が必要です。これらすべてに高いレベルで対応できる、総合力のある業者を選びましょう。
広島・島根での乗り入れ工事なら、千代田建設にご相談ください
千代田建設株式会社は、公共工事から民間の造成・舗装工事まで、地域に根差した豊富な実績を持つ土木のプロフェッショナルです。面倒な行政への申請手続きのサポートから、解体・造成・舗装工事まで、すべて一貫してお任せいただけます。お客様の手間を最小限に抑え、安全で快適な駐車場の入り口を実現します。
無料の現地調査にて、お客様の土地の状況とご要望に合わせた最適なプランとお見積もりをご提案いたします。
まとめ:毎日の「行ってきます」「ただいま」を、もっと安全・快適に
駐車場の乗り入れ口は、毎日の生活のスタートとゴール地点です。そのわずかな不便さが、日々の小さなストレスになっています。専門家による適切な工事でそのストレスを解消すれば、毎日のカーライフはもっと安全で快適になるはずです。
「うちの駐車場も広くしたい」「専門的なことだから、どこに相談していいか分からない」
そうお考えでしたら、ぜひ一度、私たち千代田建設にご相談ください。

